What is “abc”?

年度末。クイズ界一年の大決算。 600名を超える参加者がひしめき合う、学生クイズ界最高峰の戦い。 その名は、abc。

主役は「新世代」の学生達

【新世代による基本問題実力No.1決定戦】ことabcは、毎年3月末に開催される、「新世代」すなわち大学4年以下の、クイズに熱意を持つ若者達が、シンプルな早押しクイズで頂点を目指す大規模な大会である。

「大学4年以下」と銘打っていることからわかるように、1人のプレーヤーがこの大会に参加できる期限は決まっている。しばしば「ラストイヤー」と呼ばれる大学4年までの間に、出来る限り上を目指すため、彼らは1年をかけて努力をし、この大会のために準備するのである。

そして今では、abcはクイズに打ち込む全国の学生たちの貴重な交流の場であり、年に一度の祭典となっていることも忘れてはならない。毎年関東圏で行われる大会であるが、全国から学生達が集まってくる。彼らにとっては、「遠くからでも行きたい大会」であるのがabcなのだ。

「基本問題」+「早押しクイズ」が織りなす息詰まる勝負の世界

abcは、その名前が示す通り、クイズの「い・ろ・は」となることを願われた大会だ。abcは、クイズを始める初心者が最初に触れるに値する、最も質が高く、最も繊細なクイズを目指している。これまでのabcは、それを「基本問題」の名の下に実現してきた。

abcで出題される問題は、問題文すべてを聴けば、クイズを普段からやっていない方々でも答えがわかる問題が多い。しかし、abcは「正解が出る」だけでは不十分だ。何故ならabcは早押しクイズの大会だから。誰よりも早くボタンを押して、解答権を得なければ、いくら正解がわかっても意味がない。

だから、プレーヤーたちは、答えが推測できるかどうかのギリギリのラインを攻めていかねばならない。知識はさることながら、答えを導くための高度な推理力と、ギリギリを狙う反応速度、ボタンを押す勇気、極限までの集中力が求められる。まさに自らのマインドを総動員しなければ、勝ち上がることはできない。スポーツのような派手さはないかもしれないが、勝負の世界という意味では実に高度なものが要求される。

21世紀とともに歩んできたabcは拡大し続ける

abcは2003年に産声をあげた。その時(abc the first)の参加者は125人であった。しかし、その後大会の規模は次第に大きくなっていき、2016年のabc the14thの参加者は、firstの5倍以上である678人となった。2003年当時、参加者のみではなく、大会スタッフも、今日のabcの大きさを予想できなかったであろう。そう言えるほど、abcという大会は拡大していき、変遷してきている。

21世紀のクイズを語る上で、abcは決して欠かすことが出来ない存在である。それは、ただ参加者が多いからという話ではない。参加者が皆、各々自身に向き合う真剣な場として、この大会に挑んでいるから、そして、そうした真剣勝負の場を提供しようとするスタッフの絶え間ない積み重ねがあるからである。こうした熱意が、歓喜が、あるいは悔しさが、この大会独特の濃密な瞬間を産み出してきたのである。

15年目の「記憶」のためのサイト

abcの歴史とは、歴代の優勝者の名をただ連綿と記録しておくことではない。出演者、勝負、その時々の瞬間を、誰もが記憶に留めることである。abc the firstから変わらない48人通過という厳しい予選を勝ち抜いたプレイヤーの名は、全てが記憶に値する。独特の緊張感の中での参加者の一挙手一投足は、その全てが注目を集める。プレイヤーがクイズに向き合うその瞬間は、やがて、確かに重みのある歴史となる。このサイトでは、そうした歴史を紹介するために設立されたものである。

またabcがやってくる。歓声の中やってくる。今度は、どんな勝負が生まれるのだろうか。どんな歴史が生まれるのだろうか。ただ一つ分かるのは――その瞬間が、全ての参加者にとって、永遠となるということである。